秋の夜風が描く雲の流れ・・・掛けられたナルの描くラインとのマッチングが面白く・・・。
社会に出てからあれだけ読んでいた本・・・ここ1年半は、その1年半前から読みかけの一冊が棚に置かれたまま、そして未だそのままの状態で手をつける余裕がありません。豊富な活字と向き合うのは、それがもたらす自己啓発意識の高まりはもとより、豊かなる発想の源泉ともなり、難局を打破する創造力の発揮と、限りのない迷走を俯瞰し解決の糸口を導く大局観の醸成に大いに役立ちもします。 ただここ暫くは、精神的にも肉体的にも十分な‘休息’というものと無縁の日常に身を置いて久しく・・・、それが故の‘ココロのゆとり’のなさが生む数々の弊害の存在も否めません。 秋の月夜と向かい合い、立ち止まって足元を見つめ直す・・・そんな原始的な所作をかたどる自身の影が、思いのほか鮮明に浮かび上がっているのが印象的でした。まるで命宿り、あらゆる意識も有するもう一人の自分(影)が地面に横たわるかのように・・・。自己を客観的に把握することは難しくとも大切なことです。ただ、あまりにもそうした思考を停止しすぎた反動で、本来客観視されるべきもう一人の自己が、こうして影として強制的に眼前に出現せられたかのようにさえ思えるほど、鮮明で生命力溢れるものでした。 あらゆる事象を哲学する・・・もっとシンプルに思考を巡らせることが必要なようです。秋の満月は、その神秘的なまでの魅力と圧倒的引力にて、意識の底に沈んでいた大切なものを引き上げてくれたようです。久々に活字と、また今まで目を背けていたあらゆる‘価値’と向き合ってみようと思います。急激なる変化をもって訪れた秋は、そんなことにも気付かせてくれました。
by nihon-iro
| 2010-09-24 20:36
| 日本色
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